
仲里嘉彦の自叙伝
〔わ が 恩 師〕
小さき胸に抱きしデッカイ夢 (その599)
それにつけても、佐藤内閣誕生以来丸5年間、時に激論をかわしつつも、終始、この沖縄返還をめざしてスクラムを組んできた吉田嗣延さん(南方同胞援護会事務局長、現沖縄協会事務局長)、末次一郎さん(基地問題研究特別委員会事務局長、現新樹会代表幹事)はもとより、総理府特連局の諸君、加藤泰守総理府参事官(元沖縄開発庁事務次官)、岸昌沖縄事務所長(現大阪府知事)、教育権返還当時の林忠雄特連局総務課長(現自治医大理事長)、降矢時雄(現環境衛生金融公庫監事)、亀谷礼次(現沖縄開発庁事務次官)、及川謙三(現地方財務協会理事)援助業務課長など、外務省では安川壮、東郷文彦両北米局長、中島信之、大河原良雄(現駐米大使)両参事官、枝村純郎、千葉一夫の両北米課長、佐藤嘉恭同課長補佐(現経済局参事官)、佐藤行雄事務官(現駐英大使館参事官)など数えあげたらきりのないほどの先輩、同僚、後輩と協力して、1つの目的達成のために、ただ一筋に熱中して働いた5年間は、いま思い出しても充実していたし、また、私どもの強い友情のきずなは今も昔もかわるところがない。
さて、この『沖縄返還ひとりごと』は、佐藤・ニクソン会談で終了するわけである。
翌45年1月16日には、内閣改造によって総務長官として山中貞則さんを迎え、本格的な復帰準備に入るわけであって、山中さんの切々たる沖縄に対する愛情と適切な判断と実行力によって、沖縄の復帰準備は着々と進んでいったのである。
私は5月1日に発足した沖縄・北方対策庁初代長官となった。
そして11月20日の「沖縄復帰対策閣僚協議会」および閣議で「沖縄復帰対策要綱(第1次分)」が決定されたのち、同年12月30日付けで退官した。
今回で終了となります長い間ありがとうございました。
(鰍ャょうせい発行 山野幸吉著書の「沖縄返還ひとりごと」より)