2012年01月06日

「胎動する沖縄企業」シリーズ63

「胎動する沖縄企業」シリーズ63

浦 添 市 役 所

面  積=18.4平方キロメートル
人  口=48,300人
市  長=又 吉 盛 一

浦添市は、那覇に隣接するところに位置する、人口増加のいちじるしい所だ。浦添村から一足飛びに市に昇格したのもごく最近のことで、市に隣接する公有水面の埋め立て計画を持っているため、面積はさらに大きくなる。浦添市は、現在復帰に向けて経済開発計画、および社会開発計画の2本の柱を立てて、マスタープランを策定中だが、とくに経済開発について意欲的なところを示している。

浦添市は、もともと工業誘致関係については、地域経済開発につながり、地域住民の福祉にもつながるとの観点から積極的な運動を展開してきたところで、琉球政府が、71年からはじまった長期経済開発計画の中に、浦添市に位置する公有水面の埋め立て計画に出されていなかったが、市当局の強い要請に基づき、ついにそれを修正して計画の中におりこむようになったいきさつがある。ただ、企業の誘致については、公害企集であったり、自治を侵害したりするような企業では困ると又吉市長は主張する。

那覇新港から牧港発電所までに至る公有水面の造成可能な面積は水深マイナス3メートル以下で約500万平方メートルといわれているが、浦添市としてはそのうち330万平方メートルの公有水面を造成したいとの基本的構想を持っている。これは、現在沖縄経済開発研究所に委託している市の経済開発に関するマスタープランの作成を待って、経済効率のよい方法で、公有水面の造成事業を推進していく方針である。しかし、この公有水面は米軍の制限区内にあるため、造成事業をすすめるためには、まず米軍から返還してもらうことが前提条件となっている。

浦添市としては、すでに琉球政府、米民政府に対し、同公有水面の制限区域撤廃を強く要望しているほか、防衛施設庁にも同様の働きかけを行なっているが、現在のところ開放される時期についてのメドは立っていないのが実情である。又吉市長としては、できれば復帰以前にも返還してもらうよう、これからも関係当局に対し要請していくとしているが、まず復帰前はどう考えても無理のようである。

浦添市が、計画している公有水面造成計画には、琉球工業連合会もグループとして300平方メートル近くの造成を持っているが、こんごは市、および琉球工業連合会の連係を深めていく方針である。

浦添市、または琉球工業連合会の計画している公有水面埋め立て計画地城は、一部開港をみた新那覇港から琉球電力牧港発電所に至る一帯で、市としては新那覇港から牧港まで西のバイパスを建設する構想を持っている。これは、那覇市と浦添市が一体となってこんごの経済開発計画を推進しようとしているもので、とくに浦添市は、意欲的なところを示している。

市としては、この公有水面埋め立て後の企業誘致について、総合的検討を加えていないとしながらも、現在市街地にある沖縄製線、玉那覇玉財等の工場を臨海部に集中させる方針である。市内に点在する工場を公有水面の造成地に移転することにより、住宅地域と工業地域が完全に分離されることになるため、浦添市はますます住みよい町になるとしている。

このほかの大型企業の進出については、とくに具体的考えは持っていないが、自治権が維持され地域住民の福祉が図られる公害のない企業なら歓迎したいとの考えを持っいる。そして、公有水面埋め立てと同時に工業港を開港したいとの基本的方針で臨んでいるが、誘致企業などの計画が現在のところはっきりしていないこともあり、その規模についてはこれからの動向をみてから決めることになるとしている。

浦添市としては、すでに都市としての機能がマヒしている那覇市の機能を回復させるためにも、浦添市に、都市機能の一部を移す必要があるとしている。これは浦添市が、これまでのようなベッドタウン的色彩から都市機能的色彩にぬりかえていく時期にきているとの認識が、又吉市長の頭の中にあることを意味する。
産業新聞社「胎動する沖縄企業」より
仲里嘉彦
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2012年01月05日

「胎動する沖縄企業」シリーズ62

「胎動する沖縄企業」シリーズ62

琉球工業連合会

  所在地=那覇市安里468
  会 長=仲 田 睦 男

琉球工業連合会は会員250杜で沖縄における中小企業対策をはじめ既存企業の保護育成や臨海工業の誘致に積極的に取りくんでいる経済団体である。

琉球工業連合会の当面の課題としては通貨の切り替えについては、1ドル対360円で読み替えるよう琉球政府および本土政府に対し要求すると共に設備融資政策についても活用できるよう要望していくことにしている。

これによると通貨切り替えの際1ドルを360円のレートにすると共に企業の収入面もすべて360円で読み替える。また収入面において、360円で読み替えることができない企業については賃金の1カ年分を無利子、無担保で10年以上の返済を条件に貸しつけることを要求している。

これと過去25年間の設備融資政策(土地を含む)の補整として復帰時点の施設評価額より政策融資額を差し引いた金額を長期(15年)低利融資とすること。これに要する融資資金は別枠として新たに政府で沖縄振興開発金融公庫に出資すること。

通貨ならびに復帰後の制度変更によって存続不可能な企業に対しては、政府において施設等の買い上げならびに従業員に対する処遇捨置を講ずること。税制上の特別措置(例えば固定資産の特別償却、法人税、事業税、固定資産税等の減免をとり、企業体の支払い能力を涵養することなどをかかげ、直面する問題について日本政府に対し強力に運動を展開していくことにしている。

琉球工業連合会はもともと本土大型企業の誘致については積極的な姿勢で取りくんできたが、とくに造船企業とか弱電企業などの労働集約型企業の誘致については協力的体制を取っている。

ただこれら大型企業の進出により沖縄における既存企業又は中小企業を迫するような形での進出について
全面的に反対しており、既存企業と進出企業が調和のとれた形で並存することを希望している。

進出企業と地元企業が共存共栄の形で復帰後企業活動ができるよう本土政府に対し、行政指導を期待している。

また自ら取りくむ問題については同業者間の協業化問題や、合併などの体制整備を進めていく方針である。

これは復帰に伴って、沖縄の企業は本土企業に対し100%資本自由化されることになるため、これに対応するためには企業合理化を推進する以外にないとの考えが強くなっているもので、具体的に検討されているのが協業化問題と企業合併による経営基盤の強化である。

琉球工業連合会に浦添市、糸満市、中城村の3ブロックに臨海工業団地造成組合を結成して、公有水面を埋め立てる計画を推進することである。

この計画は復帰後の企業基盤を強化するための団地化計画だが、すでに浦添臨海工業団地に進出する企業は共栄製鋼、昭和鉄工、中真鉄工など数10社に及び、公有水面造成計画面積は300万平方メートル近くになっている。

一方、糸満臨海工業団地造成計画もすでに組合が結成され、具体的に検討がすすめられているが、同地区の造成計画は230万平方メートルとなっている。また、同地区に対する参加企業も糸満造船をはじめ40社以上に達していrる。このほか中城湾一帯の臨海工業団地計画は拓南製鉄、金秀鉄工など17社が参加を表明しているが、この3地区における工業用地の造成作業は、いずれも復帰後になる。

琉球工業連合会はこれら3地区に及ぶ臨海地笛の公有水面埋め立てには、莫大な資金が必要であるとの観点から日本政府に対し、長期低利資金の融資に期待したいとしている。

このほかの問題としてはJI S化問題がある。

沖縄が5月15日祖国に復帰することにより、工業製品には日本工業規格(JIS)が適用されることになるが、沖縄の場合は従来までこのような制度がなかったため、JIS化問題については暫定的に沖縄に適用を除外してほしいとしている。
産業新聞社「胎動する沖縄企業」より
仲里嘉彦
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2012年01月04日

「胎動する沖縄企業」シリーズ61

「胎動する沖縄企業」シリーズ61

沖縄マツダ販売株式会社

本 社=那覇市崇元寺町1−10−1
資本金=1億1,408万8,000円(36万ドル)
社 長=小 堀 啓 介

沖縄マツダ販売株式会社は昨年12月246台、今年1月256台、2月260台とこのところ需要面で低迷状態にある沖縄の市場で同社だけが快調に販売数量が伸びていることは注目される。

同社は1970年に1,560台、1971年に1,960台の乗用車の販売実績を持っているが、72年の目標は3,000台、73年=4,000台、74年=5,000台を目標にかかげて販売網の充実強化をめざしている。

そして同社は2月の販売台数でついに業界第2位の地位に躍進した。

これは小堀社長の経営方針が社内に徹底されたためとみられる。

沖縄マツダ販売は従業員172人、セールスマン23人、サービスマン44人、事務および管理部門99人となっている。

また、サブデイラー9社、取次店20杜でこれは業界第1位となっている。

このほか指定店が8杜、協力店3杜となっている。

沖縄マツダ販売の設立は古く昭和27年6月9日沖縄マツダ合資会社として8,300ドルでスタートし1960年5月12日4万ドルに増資する。

さらに64年8万ドル、67年16万ドル、70年9月28日30万ドルに増資今日に至っている。
 現在の同社の乗用車のシェアは12%だが、最終日標としては20%にする考えだ。

沖縄マツダ販売はマツダ系車種の沖縄総代理店で昨年12月1日から新車シリーズのサバンナ、グランドファミリアを発売、沖縄本島9地区において展示試乗会を大々的に開催した。

浦添支店会場をはじめ、コザ、国場の両営業所。さらに7特約店で開いたが、このような形で展示会を開催するのは沖縄では初めてのケースとされている。

新車のサバンナ、ファミリアシリーズを戦列に加えたことで意気があがり、12月には246台、1月256台、2月260台と販売台数は順調に伸びているといえよう。

以前は中古車の下取りなどを積極的に展開した結果問題を出したが小堀現社長の就任後は順調な伸びを示している。

同社のこれまでの販売台数は年伸び率にして20%程度で推移してきたが復帰後においても同程度の伸びを維持して行きたいとしている。

このため従業員を200人程度まで増員すると共に1人当り(事務および管理部門を含め)2台を当面の目標とし小数精鋭主義を貫き通して行く方針である。

先にもあげた年次計画の72年3,000台、73年4,000台、74年5,000を販売していくため、流通機構の面でも徹底した合理化を推進していく考えであるほか、需要家に対するサービスにも配慮したとしている。

同社の扱い車種はカペラ、プレスト、ルーチェ、グランドファミリア、サバンナ、ボンゴ、プロシード、ファミリア、トラック、ポーターキャップ、タイタンで、このうちからメイン車種をきめて販売していく方針である。

このように同社は復帰後において積極的な販売を展開しているがまったく問題がないわけではない。

例えば業界の共通した問題として変動相場制以降後の差損保障問題と交通区分の問題のほか復帰することにより税金がかけられることになるため、これらのハンデを積極的な販売対策でどれだけはねのけることができるか注目されるところだ。
産業新聞社「胎動する沖縄企業」より
仲里嘉彦
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