2011年12月05日

「胎動する沖縄企業」シリーズ32

「胎動する沖縄企業」シリーズ

那覇鋼材株式会社

  本  社=那覇市古波蔵115−4
  資本金=924万円(3万ドル)
  社  長=上 原 義 雄

那覇鋼材株式会社は、那覇地区の鉄筋扱い問屋10数社が流通機構の合理化を推進するため1971年3月に設立された会社である。那覇鋼材への出資各社はほとんどが若手経営者で占めるというユニークな会社である。設立問題ついては一昨年あたりから出ていたが、その背景となっていたのは鉄筋加の集中化問題と大型プロジェクトに対する取り組みおよび、問屋マージン確立を旗印としてスタートを切ったのであった。

また、大型プロジェクト関係まで業務を新会社で確立するためには、これまでの鉄筋加工販売に加え、一般鋼材の輸入販売までをその計画の中におりこんでいたが、昨年8月のドル・ショックの問題と沖阪産業、沖縄シャーリングなどが新たに鉄鋼の輸入加工販売に踏み切ることも手伝って、その計画の一部を修正することになった。

つまり那覇鋼材としては当初計画していた一般鋼材の輸入販売については当面見合わせることとし、新たに建材部門への進出に乗り出すことになった。このようなことから同社が当初計画していた一般鋼材部門への進出を当分見合わせることになったことから、今年度における設備投資計画も当初予定していたよりも縮小することになった。

那覇鋼材に対する出資会社はいずれも鉄筋を販売している会社で、大城建材、金城木材、島商会、仲田建材、やまこ商会、大城商会、第一建材、大城鉄筋販売、宇座鉄筋が出資会社で、ほかに特約店として鉢嶺材木店、首里木材、長嶺商会、金秀鋼材、九元建設、饒平名林木などがある。

那覇鋼材の計画としては昨年6月に買収した豊見城村の約4,000平方メートル(用地買収および造成費を含んで7万ドル)内に700平方メートルの鉄筋加工センターを今月いっぱいに完成させる予定で、すでに鉄骨の建設は完了している。

鉄筋加工センターおよび事務所、建材倉庫を含めた設備投資金は10万8,000ドルとなっているが、建材倉庫および事務所の完成は来月中旬の予定である。鉄筋加工センターが完成することにより同社の鉄筋加工能力は2,000トンとなるが、当面は月間500トンの加工からスタート、2年後までにはフルに引き上げていく方針である。現在計画している加工センターでの鉄筋加工500トンは同社扱いの3,000トン(月間)の6分の1にあたるものである。

先にも触れたとおり、那覇鋼材は沖縄における鉄鋼関係の流通機構の合理化と鉄筋加工の集中加工方式による合理化および適正マージンの確保などを図るために設立された会社だが、現在のところ実施の方向にむかっているのは鉄筋加工の集中化だけのようだ。

ということは網の目のようにいりくんだ流通機構の改善または合理化計画が一朝一夕にしてできる問題ではないということである。

流通機構の合理化計画については鉄鋼関係についていえば沖縄ではやはりパイオニア的存在といっても過言ではあるまい。

そういう意味においては流通機構の改善を図るためには、このような形態ではなしに資本を一本化するという具体的計画が提起されなければならないだろう。もう一点は問屋マージンの適正化ということである。

那覇鋼材の鉄筋扱い量は月平均3,000トンで沖縄のシェアの約30%に当たるが、扱い量によって価格差をつけるべきであるとする主張である。

小口ロットの扱いと大口とは本土においてもマージン率が異なり、沖縄でも1社1,000トン以上の扱い量の場合はそれ以下のところに比べ優遇するのは当然であろう。しかし、その後沖縄における鉄筋問屋約90杜が中央鋼材、中部建材共同組合、それに那覇鋼材の3社に集約されたことによりマージンの適正化問題は宙に浮いたという格好である。そのようなことから流通機構改善の問題、マージンの適正化ということは非常に困難な状態だが、この困難な状態を克服していくことがとりもなおさず復帰対策につながるのではないかと思う。那覇鋼材のこんごに期待したいところである。
産業新聞社「胎動する沖縄企業」より
仲里嘉彦
posted by 春夏秋冬 at 06:17| Comment(0) | わが胸に抱きしデッカイ夢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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