沖縄県の政治・経済・社会・芸能・文化等各界の著名な人物や地名の由来、建造物、制度上の名称等について、沖縄タイムス社発行の「沖縄大百科事典」より令和3年1月16日から連載で紹介。
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一木喜徳郎 (いちき きとくろう) 1867.4.4〜1944.12.17(慶応3′〜昭和19) 内務官僚、政治家,憲法学者。静岡に生まれる。
1887年(明治20)東京帝国大学法科大学政治科を卒業。
内務省に入り、90年ドイツに留学。94年東大教授兼内務省書記官となる。
1900年貴族院議員に勅選され、02年には法制局長官も兼ねた。以後、内務次官、第2次大隈内閣の文相、枢密顧問官、枢密院副議長、宮内大臣、枢密院議長などを歴任。
議長在任中、天皇機関説信奉者として右翼に襲われ、36年(昭和11)3月辞任。
沖縄県とのかかわりでは、内務書記官当時の1894年(明治27)2月に、命を受けて旧慣調査のために来県。県内をくまなく巡って、民心の動向・旧慣諸制度運用の実態などをつぶさに調査、改革の方向性や手順などについても報告した。
その報告書『一木書記官取調書』は、旧慣期の沖縄のようすを知るうえで貴重な基礎資料・となっている。
また、99年2月の第13議会で「衆議院議員選拳法」改正案の審査特別委員会が衆議院に設置きれると、その政府委員となり、会議では沖縄県への「選挙法」適用の是否をめぐって、沖縄に関するその知見ぶりをあますところなく披瀝した。
元一般社団法人・万国津梁機構 理事長仲里嘉彦
沖縄県浦添市屋冨祖2丁目1番9号
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