沖縄県の政治・経済・社会・芸能・文化等各界の著名な人物や地名の由来、建造物、制度上の名称等について、沖縄タイムス社発行の「沖縄大百科事典」より令和3年1月16日から連載で紹介。
そ の 41
硫黄鳥島火山 (いおうとりしまかざん) 徳之島西方65qにある沖縄県唯一の火山島。沖縄県島尻(しまじり)郡具志川村に属する。沖縄県の最北端で、霧島火山帯、トカラ火山島列の最南端。
長径(北西〜南東)3q、短径(北東〜南西)1qの島で、二つの火山体からなる。南東のグスク火山体は島の約2/3%を占め、二重の外輪山と中央火口丘からなる三重式火山。外側の外輪山は最大径1.5q。一部は波により侵食され原形を失う。
二つの外輪山にはさまれる火口原に村落跡がある。溶岩円頂丘の周辺部に小火口があり、水蒸気を少量噴出中。北西の硫黄岳火山体は今も硫気(りゅうき)活動盛んな火山で、火口西縁を溶岩円頂丘が貫く。
北縁が島の最高地点で217m。かつて硫黄を採掘した。
岩石は安山岩質で、両火山体の溶岩円頂丘とグスク火山体を切る岩脈を除くと、ほぼ火山砕屑(さいせつ)からなる。これは侵食に弱いためで島は海食崖(がい)に囲まれる。
別名沖縄鳥島、またはたんに鳥島ともいう。
元一般社団法人・万国津梁機構 理事長仲里嘉彦
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