沖縄の飛躍発展に向けた提言集その122
万国津梁機構第9定期講演会25回目
(2013年2月23日 県立博物館・美術館)
富川盛武(沖縄国際大学)
結びに代えて−課題と展望−
規模、取扱量、ネットワーク、臨空の産業立地いずれにおいても劣る那覇空港が国際ハブになり、経済振興に寄与するには、臨空産業と県産品(Made in Okinawa)のキーワードをいかに組み合わせるかであろう。
万国の津梁として「琉球の時代」を築いたのは、今で言う「国際ネットワーク」を構築できたからであろう。
当時、中国の解禁政策、江戸幕府の鎖国の合間を縫って「三角貿易」を実現することが出来た。
島嶼経済が発展するための不可欠な要件が国際的なネットワークである。
空港の競争力の要素は、既に述べたように空港背後地域の人口と交易規模、航空・空港関連のコスト、航空輸送ネットワーク、空港インフラ及び貨物関連施設、政府による空港施設への投資、貨物関連行政サービスなどである。
成田、関空、羽田に追いつくのは一朝一夕では出来ない。
しかし、沖縄の那覇空港にも比較優位(コア・コンビタンシー)は存在する。
それは以下の要素である。
1、アジアへの近接性、地政学的優位性
アジアのダイナミズムの展開と凋落の日本のジャンプ台としての「アジアの橋頭墜」が沖縄21世紀ビジョンで位置づけられている。
近接性と24時間営業は輸送リードタイムを短縮する。
2、ソフトパーワー
高次元のニーズ、つまり安全・安心、健康長寿、快適環境、教育水準(大学院大学)の要素が沖縄のソフトパワーとして内在している。
高所得者層のニーズ、これらを生かして、臨空産業の創出を推進すべきである。
(平成26年4月2日発行沖縄の飛躍発展に向けた提言集より)